「企業信用調査」をしたらどんなことがわかる?

「新しい取引先、信用できるかな」
「新規で取引することになったけど、実績がよくわからないので不安が残る」
新規取引先についてもっと情報が欲しいと考えた時に、役立つのが興信所です。
自身で同業他社の知り合いに聞き込みしてもいいかもしれませんが、時間もかかりますし、正しい情報が得られるとは限りません。
でも、興信所に依頼して調べてもらえば簡単にその企業の情報が入手できます。
では、その「企業信用調査」とはどんな内容で、どのような流れで行われるのでしょうか。
今回は企業信用調査についてお教えします。
企業信用調査とは?
企業信用調査とは、取引先が本当に信用できるのかどうかを興信所が調査するというものです。
たとえば、
その会社の業績がどうなっているのか?
経営状態は良好なのか?
どんな人物が役員に就任しているのか?
なども調査の対象になります。
また、代表者の経歴やどんな性格なのか、どのような人物と付き合いがあるのかも調べます。
何より重視するのは「経営が安定しているのか」「資金繰りはうまくいっているのか」「債務状況はどうなっているのか」といった情報です。このような情報を入手できれば、取引をするのかどうかを決める時に大変役立つでしょう。
企業信用調査は、浮気調査や不倫調査に比べるとどうしても依頼件数が少なくなります。そのため、企業信用調査ができるだけのスキルと経験を持つ興信所は限られます。企業信用調査を興信所に依頼したいと考えたならば、ちゃんとリサーチしてその調査が確実にできる興信所を見つけましょう。
なお、企業信用調査を始めるタイミングは必ず「取引前」になります。大口の取引を始めてしまってからでは遅すぎますので、「なんだか変だな」「もしかして…?」と思ったら、企業信用調査を考えてみてください。
企業信用調査をするメリットとは?
「企業信用調査なんてしなくても、どんな人か顔を見ればわかる」なんて意見もありますが、企業信用調査にはしっかりとしたメリットがあります。
まず、実は倒産しそうな企業や問題を抱えている企業を避けることができます。そうすることで、自社に被害が及ばないようにリスクを回避できます。
また、企業信用調査をすることで詐欺のような悪質な手口で近付く人たちを遠ざけることもできるでしょう。「最初は小口の取引から進めていき、信用できると思ったのに計画倒産されてしまった…」なんて事態に陥ることもありません。
企業信用調査のリスクを回避するためのポイント
企業信用調査を実施した結果、取引先にリスクが見つかった場合、その対処法をあらかじめ知っておくことも重要です。調査で得た情報を活用して、早めに対策を打つことで、大きな被害を防ぐことができます。
取引条件を再交渉する
信用調査によって、取引先が資金繰りに不安があると判明した場合は、支払い条件や納期などの取引条件を再検討しましょう。たとえば、売掛金をなるべく圧縮する、定期的な入金を確認するなどの方法でリスクを分散させることができます。
保証人や担保の確認
大きな金銭が動く取引でリスクが高いと判明した場合、保証人や担保を求めるのも手段のひとつです。万が一取引先が倒産しても、ある程度の債権回収が可能になるため、リスク軽減に繋がります。
契約書を見直す
信用調査で懸念があった場合、契約書における違約金の条項や解約条件を再度見直す必要があります。万が一取引先に問題が発生した場合にも、早期に契約解除できるよう、弁護士などの専門家に相談しながら契約内容をアップデートしましょう。
自分で企業信用調査はできる?

実は、個人でも企業の信用調査をすることはできます。
取引先の商業登記簿謄本を確認するのは、興信所の調査員でなくとも可能です。商業登記簿謄本を確認すれば、まず、その会社が実在する企業なのかもわかります。代表者の名前や会社の住所なども調べることができるでしょう。
名前だけの存在しない会社かどうか、債務にまみれた企業でないかを調べるだけならば難しくありませんが、ある程度知識がないとこの作業自体もなかなか進まない可能性があります。
「商業登記簿謄本をどうやったら取得できるのかわからない」「社長に取引先について調べろと言われたけれどハードルが高い、難しい」と思うのであれば、プロに依頼したほうが間違いはないですね。
ただし、知識がない方でも簡単にできる調査があります。取引先に赴き、社内の雰囲気を見るのです。社員の表情や雰囲気で、会社の業績はある程度汲み取ることができるでしょう。
「この企業は信用しないほうがよいかも?」というチェックポイントをご紹介しましょう。
社員の表情が暗く、元気がない
社員の服装や髪型が乱れている、不潔である
仕事のやり方や対応が投げやりでいい加減である
社内がガランとしている、もしくは雑然としすぎている
退職者が続出している、もしくは入社した社員がすぐ辞める
評判が悪い企業と取引している
また、社外でその会社の社員と話す機会があった時に、経営者や上司への不満が出てきたら同様に注意です。会社の業績が傾いている証拠かもしれません。
経営者と会った時にも、どんな人物かよくチェックしましょう。
いわゆるワンマンタイプの経営者でも会社の業績を伸ばせるタイプの人はいますが、「気持ちにムラがあり、他人の意見を聞かない」「金遣いが荒い」「よく公私混同する」「一度決めた意見をころころ変える」ような経営者との付き合いには注意が必要です。
また、経営者が「未回収の売掛金が増えた」「取引条件を変更してほしいと依頼してきた」という場合にも要注意です。
また、同業の知り合いや下請け、取引がある銀行などに探りを入れ、聞き込みをするのもいいでしょう。ただし、「あの企業、経営状況はどうなんですか」「取引したら潰れませんか」などとしつこく聞くのはやめましょう。調べている企業に何も問題がなかった場合、反対にあなたのしたことが悪影響をもたらす可能性があります。
聞き込みはあくまでさりげなく、期待していたような返答が得られなくともしつこく後追いしないことが大事です。
また、経済新聞や業界紙などから企業の動向がわかることもあります。どんなところと取引しているのか、その内容はどんなものなのかを調べることもできますので、普段から目を通しておいて損はないでしょう。
企業信用調査で気をつけるべきコンプライアンスと法律
企業信用調査は有益な反面、調べ方によっては法律やコンプライアンス違反を招く恐れもあります。正しい手続きと範囲で情報を収集しなければ、思わぬトラブルに発展することもあるため注意が必要です。
個人情報保護法との関係
企業の代表者や主要メンバーのプライバシー情報を調べすぎると、個人情報保護法に違反する可能性があります。調査会社を利用する際は、どのような方法で情報を収集するかを必ず確認しましょう。
公的情報の範囲内で
企業情報や代表者の過去の官報掲載情報、商業登記簿、裁判記録など公的に確認できる範囲を超えた調査は、違法行為になりかねません。安全のためにも公的な範囲内の情報を活用しつつ、必要に応じて探偵興信所や専門家と連携することが求められます。
探偵興信所の選び方
法令を遵守しない怪しい探偵興信所に依頼してしまうと、逆に企業としての信用を失う恐れがあります。調査会社を選ぶ際は、探偵業法に基づく届出がされているか、違法な手段を用いていないかなどを十分チェックしましょう。
企業信用調査の費用は高い?
企業信用調査にかかる費用は、興信所によって異なります。
そのため、依頼したいと考えている興信所のホームページをチェックするか、電話で相談して確認することをおすすめします。
「企業のことを調べるのだから、数百万かかるのではないのだろうか」と不安になっている人もいるかもしれませんが、そこまでのお金はかかりませんので安心してください。
成果を上げるためには「できるだけ安いところに依頼したい」とは考えず、「評判が良いところ」を選ぶことをおすすめします。飛び抜けて費用が安い場合、何かしらの理由が隠れています。それよりも確実に調査を成功させてくれるところ、知りたいことをちゃんと調べてきてくれる興信所を選びましょう。
企業信用調査で得た情報を活かす!取引後のフォローアップの重要性
企業信用調査は取引前だけでなく、取引開始後も活用できます。調査結果を基にしたフォローアップを行い、リスクを最小限に抑えることが大切です。
定期的な取引先のモニタリング
一度調査をして安心しても、経営状況は日々変化します。定期的に取引先の情報をアップデートし、業績や社会的信用に変化がないかモニタリングすることで、早めにトラブルを察知できます。
社内共有で意思決定を素早く
調査結果やフォローアップの内容は、社内で共有しましょう。担当者だけでなく、経営陣や関連部署が共通認識を持つことで、万が一問題が起きた時にも迅速に対応できます。
追加調査の検討
取引額が大きくなる、取引内容が複雑になるなどの変更が生じた場合、改めて追加調査を検討しましょう。取引先が新たな事業を始めたり、経営体制を変えたりする場合も同様です。
まとめ
取引先について不安があるならば、ぜひやってほしい企業信用調査。
興信所に依頼して調査をしてもらえば、気軽に取引先について調べることができます。
自分の手で調べてみて限界を感じたら、興信所に依頼してもいいかもしれません。その時には、取引が開始する前までに依頼するようにしましょう。
投稿者プロフィール

- 10年以上にわたる探偵経験を持ち、調査分野のエキスパートとして認められている。これまでに手掛けた調査案件は年間200件以上にのぼり、その確かな調査力と洞察力で数多くの難解なケースを解決してきた実績を持つ。特に浮気調査や素行調査の分野で高い成功率を誇り、信頼と実績に基づいた調査を提供することを信条とし、クライアントからの高い満足度を誇る。
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