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横領罪によって差し押さえすることがある?その方法とは

従業員の業務上横領などによって、会社や企業が多大な損害を受けた場合、刑事責任を問うだけでなく、その損害賠償をしてもらうことが非常に重要なポイントとなります。しかし、懲戒解雇や逮捕などの社会的制裁を与えてしまうと、被害額を回収するのが困難になってしまうこともあり、「差し押さえ」という方法を使って回収を行うところもあります。
そこで、今回の記事では、横領罪によって行う「差し押さえ」とはどんなものなのか、その方法や問題点などについて解説していきたいと思います。

横領罪による差し押さえの意味

税金や借金を支払わない場合に、行政や貸主が財産を「差し押さえ」することがあります。これらは、財産を担保とする意味合いがあり、 支払いが行われないようであれば、それらの財産を没収することができるわけです。その差し押さえを横領罪で利用するのはどういうことなのでしょうか。
ここでは、横領罪に対する差し押さえの利用についてみていきましょう。

横領罪では被害者が加害者に対して「仮差押え」を行うことがある

仮差押は、強制執行する前の保険のような意味合いがあり、将来的に加害者の財産に対して強制執行できるための予約と考えていいでしょう。実際に強制執行する能力はありませんが、加害者が財産を隠したり、処分するといったことを制限することができるため、損害賠償できないという状況を防ぐことができます。
民事訴訟で損害賠償請求が勝訴すれば、財産の差押(強制執行)が可能になるということです。
訴訟から判決まで1年以上かかることが多く、業務上横領の場合は数年に及ぶこともあるため、その間に財産の隠蔽や処分などができないようにするのが「仮差押」です。

仮差押えを行うための条件

仮差押を行うためには、被保全債権と、債権の保全する必要性が必要になります。

被保全債権とは

被保全債権とは、債権者が債務者に対して金銭債権を持っていることで、業務上横領の場合は「不法行為に基づく損害賠償請求権」が被保全債権に該当します。
会社側が被保全債権を裁判所に疎明する必要があります。疎明とは、「一応確からしい」と言える証拠を示すことで、業務上横領で言うと、「加害者が着服したことは一応確かである」という証拠を提出する必要があります。
一見曖昧な言い回しですが、民事訴訟を踏まえた強制執行とは違い、準備段階で行う手続きであるため、証拠の部分がやんわりとした感じになっています。
ちなみに、民事訴訟の場合は「まず確かである」という確定的な証拠が必要になるため、明確な差別化が図られていると言えるでしょう。

保全の必要性とは

保全の必要性とは、債権を保全する理由のことで、財産を仮差押しておかないと、隠蔽や処分、譲渡などによって、強制執行後に回収できない可能性があるという理由がなければ仮差押はできません。
業務上横領の場合は、横領したお金を返済できるほどの資産を持っていることは稀であるため、保全の必要性が認められやすい傾向にあります。

仮差押えの特徴

仮差押えにはどんな特徴があるのか、差押え(強制執行)と比較して何が違うのかについてもみていきたいと思います。

仮差押えの特徴

通常の差押えと比較して、仮差押えにはいくつかの特徴があります。横領罪ではこの特徴がどのように作用するのか見ていきましょう。

加害者(債務者)に仮差押えの情報が漏れない

差押えは債務者に財産を処分させないための手続きなので、相手にその事実がバレてしまうと、財産を処分されてしまう可能性(仮差押え申請中は対応できない)があります。
こうした理由から、仮差押えが確定するまでは相手に知られないよう、裁判所から通知がいくこともありません。裁判所は債権者側の情報をもとに仮差押えの判断を行います。

手続きが非常に早い

仮差押えは最短で数日と、非常に早い段階で手続きが完了します。これは、決定までに時間がかかってしまうと相手に財産を処分されてしまうなどの問題を考えると、大きなメリットになる点ではないでしょうか。
業務上横領による逮捕の場合、刑事事件として捜査してから数年後に逮捕というケースもあるため、非常に早いということが言えます。

被害者(債権者)は手続き時に担保金を納める必要がある

仮差押えは、被害者側の言い分によって成立するものなので、その言い分が間違っていた場合や、裁判で敗訴した際に損害賠償を請求される可能性があります。こうした損害賠償金として、あらかじめ、裁判所に「担保金」を納付する必要があり、担保金を納付して仮差押えが可能となります。

横領罪で差押される財産

横領罪の場合、どういったものを差押えるのか気になるところだと思います。ここでは、通常の差押えと比較して、横領罪の差押えではどんなものが差し押さえられるのかみていきましょう。

銀行預金などの金銭差押え

銀行などの預金残高から指定した金額を仮差押えすることができます。例えば、差押え金額が200万円だった場合、預金残高から200万円は銀行が管理する口座に移され、債務者がそのお金を引き出すことができなくなります。
ただし、預金が残っていない場合はこの方法が利用できないため注意が必要です。

給料差押え

業務上横領を行った後に懲戒解雇などを行わず、減給などによって雇用し続ける場合は、給料を差し押さえるという方法が利用できます。ただし、特定の条件によって債務者が退職してしまうような場合や、勤務することが困難になってしまった場合は差押えできない可能性もあります。
特に、懲戒解雇などや逮捕などの社会的制裁を受けた場合、再就職が難しく、安定した収入を得るのが難しいので、給料差し押さえの効力も弱まってしまうかもしれません。

不動産の差押え

不動産の仮差押えをすることで、登記には「仮差押」と表記されます。この状況で不動産を売却することも可能なため、債務者が知らずに不動産を売却してしまうというケースが発生することもあります。
しかし、仮差押えした不動産は「裁判で勝訴」すれば、所有者が変わったとしても差押えすることが可能なため、最終的には差押えされることになります。
※仮差押された不動産はのちに差押えされる可能性が高いため、たいていの場合は購入されることがありません。

まとめ

今回の記事では横領によって差押えされるケースと、差押えの方法について解説させていただきました。
横領罪の場合も、基本的な差押えと同じように手続きを踏むことになりますが、加害者が財産を保有していることが前提になるため、場合によっては仮差押えが効力を発揮しないこともあるかもしれません。
横領によって差押えを検討している場合は、弁護士に相談して今後の流れをしっかり把握しておくようにするといいでしょう。

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