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探偵コラム

横領は刑事事件?横領罪で逮捕された場合の対処法

ネットやテレビ、雑誌等で犯罪行為として「横領による逮捕」が報道されることが多いかと思います。世間一般では、横領=「逮捕される犯罪行為」という認識が強いかも知れません。しかし、実際には逮捕されないケースもあり、横領の内容によってその対処法も異なります。
そこで、今回の記事では横領とはどんな罪なのか、また、横領罪で逮捕されてしまった場合の対処法などについて解説していきたいと思います。

横領罪は刑事事件なのか

横領罪は刑法252条〜254条に該当する刑事問題で、横領行為を行うと「逮捕、起訴」される可能性があります。しかし、逮捕されるためには条件があり、横領罪を行ったからといって即時逮捕されるということはありません。
ここでは、横領罪が成立するための流れと、横領罪の種類ついてみていきたいと思います。

横領罪で加害者を逮捕するには「被害届」が必要

人の物を盗む窃盗罪や、人に危害を加える傷害罪などは現行犯で逮捕されることがありますが、横領罪の場合は現行犯で逮捕されるということがありません。それには「横領という性質上、現行犯で罪を確定するには証拠が足りない、または判断が難しい」というような理由が考えられます。
現在、横領罪で加害者を逮捕するためには、被害者が「被害届」や「告訴状」を警察に提出することが前提になっており、これらの届出によって警察が動き出すことになります。
逆にいってしまうと、被害届を出さない限り、加害者が逮捕されることは難しく、罪を償わせることもできないということです。

横領罪の種類

横領罪には単純横領罪や業務上横領罪など、いくつかの種類があり、それぞれに罪状や法定刑が異なります。

単純横領罪

他人から預かっているもの、借りているものなどを自分のものとして利用したり、売却などして利益にした場合に課せられる罪で、横領罪の基本となる罪です。複数の横領罪があることから、区別するために単純横領罪という名前になっていますが、基本的には「横領罪」はこれに該当します。
※該当した場合は5年以下の懲役

業務上横領罪

企業や店舗などが所有する物を自分のものとして利用したり、利益にした場合に成立する罪で、主に職場や企業などで限定的に与えられている権限を超えて、企業の所有物を私物化したり、売却などして利益に変えている場合に該当します。
単純横領罪に比べて被害額が大きくなりやすく、社会的影響も大きいため、法定刑は10年以下の懲役と重くなっています。

遺失物等横領罪

他人の落とし物や拾ったもの、以前は誰かの所有物であろう物を自分のものにしたり、売却するなどした場合に該当する罪で、拾ったスマホや財布を自分のものにしたり、それらを売却して利益にした場合などに適用されます。法定刑は1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料と、他の横領罪に比べて軽いことが特徴です。

被害届が出ていれば刑事事件として発展する

横領の規模によって法定刑は異なるものの、被害者が被害届を提出している場合は「刑事事件」として扱われることになります。また、業務上横領罪などはその特性上、高額(数百万以上、場合によっては億単位)になってしまうケースもあり、大きな事件としてテレビやネットなどで取り扱われるほどに発展することもあります。

横領罪で逮捕された場合の対処法

横領罪によって逮捕される流れと、逮捕された場合の対処法について解説していきたいと思います。ここでは、被害規模の大きい業務上横領罪をもとにして逮捕された場合の対処法を解説します。

業務上横領が発覚した時の流れ

業務上横領の疑惑が出た時点で、企業側は独自に調査を行い「物的証拠」の回収や「事実確認」を行います。その後、横領の事実が発覚したら、担当者から加害者に対してヒアリングを行うことになります。
ヒアリングでは横領の手口や金額、使用用途など、事細かに内容を聞かれることなります。

会社からの対応待ち

ヒアリング後は自宅待機や、懲戒解雇、警察に通報といった処分を受けることになります。そのタイミングで会社から加害者本人に対して、損害賠償請求を行います。弁護士を通して内容証明郵便を郵送することもあるようです。

示談に応じてもらえなければ逮捕される

示談交渉(民事)による損害賠償に応じてもらえなければ、被害届の提出によって、逮捕(刑事)されることになります。ただし、逮捕されたからといって必ず有罪判決になるわけではなく、その後の対応次第では示談交渉することも可能です。示談が成立すると、法定刑を受けることは無くなります。

逮捕前、逮捕後、どちらの場合も示談交渉による解決は有効

逮捕前だけでなく、逮捕後でも、示談(民事)による損害賠償によって解決する可能性があります。横領罪は立派な犯罪ですが、しっかりと反省し、被害者に対して謝罪と損害賠償を行うことで、逮捕後であっても示談交渉に応じてくれるケースがあります。
被害額が大きければ大きいほど、刑事事件になってしまう可能性が高く、示談による解決は困難になりますが、弁護士を通じて謝罪の気持ちを持つことで逮捕後でもいい方向に向くことが十分考えられるのです。

業務上横領で逮捕された人が釈放された実例

業務上横領で逮捕されたものの、示談交渉によって釈放、執行猶予で解決した人の例をご紹介します。

店舗支店長を務める40代男性の業務上横領

上司、部下から信頼の厚い40代男性Aさんは支店長を5年勤めており、店舗の金庫番を行なっていました。ある日、急なお金が必要になり、金庫からお金を引き出すことにしました。
後日借りたお金は返金しましたが、そこから味を占めてしまい、次々にお金を引き出すようになりました。その結果、金庫から引き出したお金は数年で500万円以上に上り、不審に思った会社側が調査したところ、Aさんの横領が発覚してしまい、会社が被害届を出したことによって逮捕されることとなりました。
会社側はAさんの謝罪や賠償責任を受け取らず、刑事による法定刑を望んでいましたが、Aさんが謝罪と損害賠償責任を取ることを強く伝えた結果、会社側はそれに応じ、刑事ではなく民事として解決することに同意しました。
その後Aさんは釈放され、損害賠償責任を果たすという条件で示談が成立しました。

この例では、刑事事件として進んでいた問題が、加害者の反省によって解決の方向に進んだことがポイントと言えます。どんなに悪い犯罪であっても、被害者に対する反省や、賠償責任を果たすことで結果的にいい方向に進むこともあります。
「悪いことをしたら反省する」ということが、非常に大切だということです。

まとめ

今回の記事では横領は刑事事件になるのかという点と、逮捕された場合の対処法について解説させていただきました。結論を申しますと、横領罪は刑事事件に発展しやすい罪だと言えます。しかし、加害者がしっかりと反省し、被害者に対して誠心誠意の対応をすることで、示談や民事での解決にすることも可能なため、罪を犯してしまった後の行動が重要になるとも言えます。
万が一横領罪を行なってしまった場合は、隠蔽行為などを行わず、しっかりと罪を認め、謝罪することを意識してみましょう。

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