証拠の取れる興信所探偵社 「まごころの調査」でお客様へ安心をお届けします。

探偵コラム

飲食店で起こりうる横領とはどんなもの?詳しく解説

横領という言葉から大企業での犯罪をイメージする人も多いかもしれませんが、実は飲食店で行われやすいと言われています。どういうケースが考えられるのか、また対策について解説します。

横領と窃盗 

一般企業と比べると、現金を取り扱うことが多い飲食店では横領などの不正行為が行われる可能性が高いとされています。特に個人経営の場合は業務がマニュアル化されておらず、よく言えば信頼をして仕事を任せる、悪く言うとなあなあになる傾向にあります。

ポイントは占有しているかどうか

従業員がお店のお金を着服する=横領だと思う人も少なくないですが、何の業務を任されているかによって異なるため、窃盗罪に抵触する可能性もあります。

例えば、店長や経理を任されている立場の従業員がレジのお金を着服した場合には、刑法第253条の「業務上自己の占有する他人の物を横領した者」にあたり、横領罪が成立すると考えられます。

しかし、経理担当でもない従業員はあくまで作業の一環として会計をしているため、占有しているとはいえず、法的には占有補助者となります。同じような不正を行った場合、刑法第235条の窃盗罪「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は59万円以下の罰金に処する」が該当します。

ちなみに窃盗罪が成立するには、他人が占有している財物を、権利者を排除して自己の所有物として利用、処分する意思(不法領得の意思)で、奪うことだとされています。

どちらも「お店のお金を着服した」行為は同じですが、横領が成立するには、他人から預かっている要件が必須です。

飲食店での横領ケース

飲食店で横領が行われやすいケースとして、以下の3つが挙げられます。注意すべきポイントを把握していれば、何か疑わしいことがあったときに調査対象を絞れます。

まずは、レジの不正操作による横領です。
取り消し機能であるVOID処理を不正に行って会計の記録を削除する、レジで計算だけして会計処理は行わないといったケースが多いようです。前者はレジにVOID処理のデータが残っていますが、後者は取引中止として残ります。

どちらもレジの操作として間違っているわけではなく、打ち間違いや不測の事態が起こったときに必要であるため、不正かどうかの見極めが難しいでしょう。

次に釣銭や仕入れ用の小口現金の横領です。
客にお釣りを少なく渡して差額を着服したり、仕入れ額を高く設定するといったことが考えられます。少額だったとしても長期に渡ると、店に与える損害は大きくなります。

現金以外も横領の対象

飲食店ならではの横領といえますが、まかないの枠を超えた食材の使用や持ち帰り、横流しが挙げられます。また、廃棄予定のものを持ち帰ることも不正行為です。

まかないやメニューの開発といった経営者が許可している行為との差を判断するのが困難なため、表面化しにくいケースと言えます。しかし、普段から客数と食材の減り具合をチェックすることで、異変に気づきやすくなります。

飲食店の横領を防ぐには

飲食店での横領は、現金を扱う機会が多い、普通の従業員も会計業務を行う、まかないと私的利用の判断が難しいといった理由から起こりやすいことを解説してきました。

しかし、横領する気満々で勤め始める人はまずいません。最初はほんの出来心だったけれど、バレなかったため調子に乗ってしまったというケースがほとんどでしょう。

環境と対人面での対策が必要

横領を防ぐには、起こしにくい環境を作る必要があります。
それには現金だけではなくクレジットカードやQRコードを利用したキャッシュレス決済を取り入れる、POSレジの導入、レジや食材保管場所、店内の防犯カメラ設置といった環境面での改善が効果的です。防犯カメラは横領だけでなく、客とのトラブル対策にもつながります。

そして、日頃から従業員としっかりコミュニケーションを取る、対人関係での対策も重要です。

信頼して任せるのと、丸投げするのとでは雲泥の差があります。同じように会計を任されたとしても、普段からよく話をして小さな変化にも気づける関係性を築けていると横領などの不正行為をしにくくなります。家の防犯対策で、人の目がある状況を作ることが効果的なのと同じです。

また、従業員の異変をすぐに察知できれば、仮に横領があったとしても大損害になる前に気づくことができるでしょう。

飲食店での横領発覚時の対応

従業員による横領が発覚した場合の対応について解説します。
横領、窃盗などの不正行為は犯罪なので、当然、刑事告訴をして刑事事件として裁くことも可能です。

しかし、起訴できるのは直近の1、2件についてで、初犯でよほど大金でなければ執行猶予の判決が一般的だと言われています。そのため被害額を請求する示談で終わらせるケースも多いようです。横領が行われていた期間と被害額、返済能力、方法の有無によって判断します。

まずは証拠を確保する

示談で被害額を請求するにしろ、刑事告訴をするにしろ、まず必要なのは証拠です。帳簿や勤務シフト、レジデータなどの書類によるものと、横流しの現場や閉店後の宴会をしている写真など、複数の証拠を積み上げて立証していきます。

ただし、レジの不正操作で横領をしていた場合は注意が必要です。
VOIDや取り消し処理が正しい操作だったのかどうかを見極めて、不正操作した分だけを算出します。本当に打ち間違えて処理した分まで被害額に含めたとしても認められないため、請求額より実際の着服額のほうが少ないという事態になりかねません。

書類関係は自分で調べられますが、怪しい従業員の割りだしや素行調査を自力で行うのは現実的には無理だといえます。疑っていることを悟られず決定的な証拠を掴むためには、探偵や興信所など調査機関に相談のうえ、依頼したほうがスムーズです。

まとめ

飲食店で横領が起こりやすい理由やケース、対策について解説しました。業務を明確に分けるのが難しい飲食店では、透明化を意識した環境とコミュニケーションが重要です。

そして、売上や在庫などに違和感を覚えたら、早い段階で調査をして実態を把握しましょう。もし不正が行われていたとしても、被害を最小限におさえることができます。

探偵コラムColumn